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南北アメリカ地域 教員一覧

遠藤 徹(エンドウ トオル)

英語表記Toru ENDO
職名教授
主な担当科目グローバル地域文化導入セミナー、
南北アメリカ地域文化特論1(アメリカのポップカルチャー)、英語関連科目
所属コース名アメリカコース
研究者情報研究者データベース「研究者情報」(オリジナルサイト)

学生へのメッセージ

 四月にはそれぞれの地域で一斉に桜が開花します。これ、当たり前のようですけど、ちゃんと理由があるんです。実は「桜前線」というときに念頭におかれているのはソメイヨシノという桜で、これがいまや日本全国の桜の七割から八割を占めるといわれているのです。けれども、この桜は万葉集や古今和歌集に詠まれた桜ではありません。江戸時代にオオシマザクラとエドヒガンという二種の桜の人工交配によって生まれた園芸品種だからです。とすれば、逆に坂口安吾の『桜の森の満開の下』や梶井基次郎の『桜の木の下には』などで扱われる桜は、おそらくソメイヨシノであると考えられるわけですね。有名な吉野山の桜だって、そのほとんどがソメイヨシノなのです。
 さて、そんなわけで交配種であるがゆえにソメイヨシノは不稔性で、種で子孫を増やすことが出来ません。つまり、明治以降日本全国に植樹されたこの桜は、すべて一本の原木からの接ぎ木あるいは挿し木によって増やされたものなのです。わかりやすくいえば、日本を埋め尽くすこれらの桜はすべてクローンなのです。同じ遺伝子だからこそ、ほぼ同時にすべての樹が開花するということが起こりうるわけです。
 見上げている木々が、すべて同じ遺伝子をもったクローンだと知ってしまうと、今年の花見はいつもとはちょっと違った不思議な気分で楽しめるのではないでしょうか?
 なぜこんなことを書いたかはおわかりでしょう? 身近にあって当たり前だと思っていることでも、少し角度を変えて見直してみれば、意外な発見があったりするということをお伝えしたかったからです。題材は身の回りにいくらでも転がっています。皆さんの新しい捕らえ直しを楽しみにしています。ちょっと古いですが、ロジェ・カイヨワの『斜線』などが、ちょっとした参考になるかもしれません。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 もともとはイギリス・ロマン派の詩人ウィリアム・ブレイクを(ささやかながら)研究していましたが、徐々に興味の対象が十八、九世紀から自分の身の回りのことに移ってきました(残念ながら、この変化は進化論では説明できませんが)。そうすると、いわゆる大衆文化にぼくたちの日常が覆われているという事実に(ぼんやりと)気づくようになりました。それ以後はプラスチックという物質と文化の関係、「食」の意味の変容という問題、ポピュラーソングが孕む意味などを中心に(ささやかに)研究をしています(というか、たぶん、しているのでしょう。「しているらしい」という噂もたまに耳にしますから)。同時に、(さらにささやかにではありますが)小説も書いています。
 趣味はヨガ、水泳などで(こちらは、ささやかにではなく)身体を動かすのが好きです。一応、世の流れに遅れまいとtwitterやfacebookも始めたのですが、ほとんど何も書いておらず、基本的に人のを読むばかりというのが実情です。

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研究内容

 たとえば、皆さんの家にはいまいったい何種類のプラスチックがあるでしょうか?あるいは皆さんの来ている服に化学繊維は含まれていないでしょうか?さらには、コンタクトレンズというかたちでプラスチックを身体に入れている人だって多いはずです。ことほど左様にプラスチックは身の回りに溢れていますが、その来歴や社会的文化的な意味を皆さんは考えたことがあるでしょうか?ぼく自身もそんな素朴な疑問に導かれて、プラスチックについて調べてみました。そうすると、世界の電気化や映画の誕生、さらにはヒットラーの政権奪取、原爆開発、アポロ計画までいたるところにプラスチックが関わっていたことが分かってきたのです。物質から文化を捕らえ直すというのは、なかなか興味深い発見があるものだなあと実感した次第でした。

主要業績
  • 『プラスチックの文化史:可塑性物質の神話学』(水声社、2000年)
  • 『ケミカル・メタモルフォーシス』(河出書房新社、2005年)
  • 『姉飼』(角川書店、2003年)