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南北アメリカ地域 教員一覧

物部 ひろみ(モノベ ヒロミ)

英語表記Hiromi MONOBE
職名准教授
主な担当科目アジア・太平洋地域文化の形成2(太平洋地域文化の多様性と統合)、南北アメリカの課題6(南北アメリカから見た日本)、
英語関連科目
所属コース名アメリカコース
研究者情報研究者データベース「研究者情報」(オリジナルサイト)
遠物部 ひろみ

学生へのメッセージ

 「グローバル地域文化学部」のホームページを覗いてくださった皆さん、この学部では、グローバルな視野を持ちながら、地域研究を行います。私のクラス「アジア・太平洋地域文化の形成」を具体例に挙げてみましょうか。このクラスでは、太平洋地域全体(ポリネシア・ミクロネシア・メラネシア)の地理や歴史の概要を学んだ後、主にハワイとグアム、サイパンに焦点を当てますが、つねに他国との関わりに重きを置いて授業を進めます。例えば、ハワイは、もともと先住民の王国でしたが、18世紀にヨーロッパ人が到来し、19世紀にはアメリカ本土から、そしてアジア(特に日本)から大量の人口が流入しました。さらに世紀転換期には、西へ進出していたアメリカ合衆国が、フィリピンと中国における勢力拡大のためにハワイを併合して領土の一部にしてしまいます。また20世紀になると日本も本格的に太平洋へ進出し、元ドイツ領ミクロネシアを統治するようになりましたが、第二次世界大戦時にアメリカを攻撃するにあたって、最初にハワイの真珠湾を狙ったことはご存知の通りです。つまり、太平洋地域は、その地理的な理由から、欧米やアジアの大国の影響に常にさらされてきた一方で、世界史において重要な役割を果たしてきました。これらの地域の歴史や文化に触れるとともに、貿易、移民、戦争、観光業、植民地主義、先住民運動など多様な問題について考えることにより、アジア、欧米、太平洋諸国の関係をグローバルな視点から捉えていくような授業にできれば幸いです。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 京都生まれの京都育ち。同志社大学(文学部英文学科)、アーモスト大学(アメリカ研究)卒業後、同志社大学大学院修士課程(アメリカ研究科)を修了、ハワイ大学大学院(アメリカ研究)に進み、博士号を取得しました。ハワイの人種や民族、文化、特に日系アメリカ人の歴史を専門に研究しています。
 アメリカ東海岸のアーモスト大学在学中、アジア系アメリカ人の学生クラブに所属したせいか、日系や中国系アメリカ人の歴史や文学に強く惹かれるようになりました。またハワイ大学にいた時は、イースト・ウエスト・センターという、国際交流を目的としたアメリカ政府の教育・研究機関の奨学生にもなり、そこで中国、韓国は言うに及ばず、タイや、ベトナム、フィリピン、インド、ネパール、モンゴルなどのアジア諸国、そしてフィジーや、パラオなど太平洋諸国からの大学院生と友人になりました。センターでは、地域の人々を招いて毎年大きなフェスティバルを開催しましたが、友人たちと国際色豊かな模擬店を出したのが良い思い出です。
 フリータイムには、ささやかな趣味ながら、コンサートや、観劇、映画鑑賞を楽しんでいます。いつの日か、「日系人と映画」や、「ハワイと歌舞伎」など、趣味が役立つようなテーマで研究できれば良いなと考えています。

研究内容

 研究テーマは幾つかあるのですが、まずハワイの日系移民の指導者層のなかで「国際主義者」であった人たちの活動に関心があります。第一次世界大戦後、融和的な雰囲気が国際社会に生まれ、外交問題も武力に訴えるのではなく、国同士の対話や人的交流など平和的な手段で解決していこうという気運(当時、「国際主義」と呼ばれた)が高まりましたが、これらのリーダーたちも協調的な精神に基づいて、ハワイ社会における日系人の地位向上のために尽力しました。親日派の白人、日本外務省や澁澤栄一などの政財界人と、人種と国境を越えた協力体制を築いて、日系人排斥運動に対抗し、日系二世(二世とは移民地生まれの第一世代のこと)により良い教育や就職の機会を与えるためのプロジェクトを推進しました。
 それから、ハワイ社会における日系アメリカ人とハワイ先住民との関係に興味を持っています。太平洋戦争以前のハワイには、砂糖産業を牛耳るアングロ系白人を頂点とした社会的なヒエラルキーが存在しました。もともとハワイに住んでいた先住民と、移民としてやって来た日系人は、アングロ系白人に次ぐ地位を求めて反目し合ったり、また時には白人支配層に対抗するために互いに協力したりしました。今後の研究で、両者の動的な関係を明らかにしていきたいです。
 また、日系史について研究しているうちに、逆にアメリカから日本にやって来た日系人の事例に注目するようになり、1920年代〜1930年代末にかけて「日本留学」した二世について現在調査しています。日本で中等・高等教育を受けた二世のなかには、戦中を日本で過ごしたのち、戦後アメリカへ戻った「帰米」と呼ばれる人も多く、そのような二世の稀有な体験を掘り起こすことが出来ればと思っています。

主要業績
  • "From 'Vanishing Race' to Friendly Ally: Japanese American Perceptions of Native Hawaiians during the Interwar Years." The Japanese Journal of American Studies 23 (2012), 73-95.
  • 「熊本県における日系二世の留学〜熊本海外協会をめぐる教育ネットワークの形成」吉田亮編著『アメリカ日系二世と越境教育〜1930年代を主にして』(不二出版、2012)、135-174.
  • "The Intersection of 'Americanization' and 'Racial Expansion': Nisei Identity Politics in Prewar Hawai'i" in eds. Christian Collet and Pei-te Lien, Transnational Politics of Asian Americans (Temple University Press, 2009), 153-167.