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アメリカコース 教員

立林 良一(タテバヤシ リョウイチ)

立林 良一
英語表記 Ryoichi TATEBAYASHI
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 今の時代はパソコンやスマートフォンの画面を通して瞬時に世界中のデータを入手でき、グーグルのストリートビューを利用すれば、居ながらにして世界中の路地裏を散歩しているような気分さえ味わうことができます。しかし、海外の文化に強い関心を持って、この学部で勉強しようとしている皆さんに是非とも言いたいことは、学生時代には積極的に海外に出かけて、生身の人間と触れ合ってほしいということです。文化とは人が作り上げているものであり、パソコンの前という安全地帯に身を置いていては、真の文化理解はありえません。価値観の異なる「他者」とぶつかり合うことで、自分の常識が揺さぶられ、初めて視野が広がっていきます。苦労しながら相手を理解し、自分を理解してもらおうとする体験は、机上では学べない大きな財産として、いずれ実社会に出ていったとき大きな力を発揮します。4年間の学生時代、そうした「コミュニケーション能力」を大いに鍛え上げてください。今から半世紀近く前、寺山修司という詩人・劇作家は「書を捨てよ、町に出よう」と言って当時の若者たちを挑発しました。皆さんには「パソコンを捨てよ、町に出よう」をモットーにしてもらいたいと願っています。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 今からかれこれ35年ほど昔、高校生のときに交換留学生として1年を過ごした米国、カリフォルニア州の小さな町は、人口の半分がメキシコ系で、通った学校では英語以上にスペイン語が飛び交っていました。自分が漠然と抱いていたアメリカという国のイメージとは全然違う雰囲気に最初は戸惑いもありましたし、ラテン系の人たちのメンタリティにもなかなか馴染めませんでしたが、そうした違和感の正体を見極めたいという思いから、大学ではスペイン語を専攻することに決めました。いずれスペイン語を武器に、海外で活躍できるような仕事に就きたいと考えていましたが、学生時代に交換留学生としてメキシコのグアダラハラという町で1年間を過ごしたことがきっかけとなり、大学院へ進学してスペイン語教師になる道に方向転換しました。

研究内容

 ラテンアメリカの現代文学、特にペルーのマリオ・バルガス=リョサという作家とその作品を対象として研究を続けています。1960年代、ラテンアメリカ出身の作家たちが発表した小説がヨーロッパで相次いで高い評価を受けたことがきっかけとなり、世界的にラテンアメリカ文学の〈ブーム〉といわれる現象が広がりました。私が大学でスペイン語を勉強し始めた1970年代は、そうした〈ブーム〉が日本にも波及し始めていた時期で、たまたま手にした新しい作家たちの作品にたちまち夢中になり、今日に至っています。バルガス=リョサは2010年にノーベル文学賞を受賞したことで、日本でも広く注目されることになりましたが、その作品にはラテンアメリカという地域が抱える様々な問題が主題として取り込まれています。この作家の政治と文学の関わり、文体や技法の特質を明らかにしていくことが私の研究のテーマです。

主要業績

共著:
  • 『プログレッシブ スペイン語辞典』(小学館、1994)
  • 『ヨーロッパ・アメリカ文学案内』(南雲堂フェニックス、2007)
論文:
  • 「『緑の家』に描かれたペルーの多文化的現実」(ALBA、2003)
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