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アジア・太平洋地域 教員一覧

小川原 宏幸(オガワラ ヒロユキ)

英語表記Hiroyuki OGAWARA
職名准教授
主な担当科目グローバル地域文化発展セミナーⅠ、Ⅱ、
グローバル地域文化専門セミナーⅠ、Ⅱ、卒業論文、
アジア・太平洋地域文化形成論2(韓国・朝鮮文化の形成)、
アジア・太平洋の課題7(アジア・太平洋から見た日本)、
コリア語関連科目
所属コース名アジア・太平洋コース
研究者情報研究者データベース「研究者情報」(オリジナルサイト)

学生へのメッセージ

 近年、グローバリゼーションの流れのなかで、アジア諸国との交流がますます盛んになり、お互いに対する関心が高まっています。日本とアジア各国との人的・物的交流が今後、より密接になっていくことは間違いありません。しかし交流が深まる一方で、各国との相互認識には、歴史認識をはじめとして依然深い溝が横たわっています。こうした溝を少しでも埋めるためには、私たち自身の他者認識が不足していることを率直に認めるとともに、私たちが、各国の人々との交流のなかで説明責任を果たす異文化コミュニケーション能力をもつことが必要となるでしょう。相互不信が生じるのは、お互いの相手に対する無知のみならず、自分の言葉で自身を語ろうとしない態度にも一因があると思うからです。そしてそれは、相手をよく知ろうとしないという態度と実は表裏一体の関係にあるのです。
 私の専門は歴史学ですが、歴史学というと「古くさい」とか「暗記科目だ」といった反応が往々にして返ってきます。しかし、それは大きな誤解です。暗記のように知識をため込む作業は歴史学において二義的なものにすぎませんし、過去のことを明らかにしながらも、これからのことを見通す力を養う「未来学」としての性格を歴史学はもっているからです。そして何より歴史学は、時間を経て他者化された事実を認識しようとする、時間的異文化コミュニケーションの知的営みにほかなりません。ましてや外国史であれば、時間的次元に加え空間的な側面を併せもった異文化コミュニケーション作業となります。歴史学という方法によって時間的観点からその地域を深く理解するとともに空間的な自他認識をあわせて行うことで、グローバリゼーションの行方を洞察する力をともに養っていきましょう。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 私はもともと日本史、特に日本近代史を専門にしていましたが、特に関心が日本帝国主義の成立過程に向くようになってから、日本の朝鮮植民地支配の実態を明らかにしたいと思い、韓国・朝鮮に関する研究を本格的に始めました。韓国に留学したのは1998年でしたが、外国、特にアジア諸国に留学する日本史研究者はまだそれほど多くありませんでした。留学生活を送るなかで韓国人とさまざまな形で交流しましたが、韓国・朝鮮を知ろうとすればするほど、自分が何者であるのか、日本とはいったい何なのかを考えさせられることとなりました。つまり私の「日本史研究」は韓国という場に自らを置くことで鍛え上げられていくこととなりました。これからも自分の感性に訴えかけ、いろいろなことに好奇心をもちながら日本と朝鮮という場で自らの歴史認識を構築していきたいと思います。

研究内容

 日本による朝鮮植民地支配について研究しています。具体的には、朝鮮半島をめぐる国際関係が日本の対韓政策をどのように規定しており、そうした要因が日本の朝鮮植民地支配体制の構築にどのようにかかわっているのかを日本の韓国併合過程を通じて明らかにし、日本の朝鮮植民地支配を世界史的な植民地支配、帝国主義の成立過程との連関性でとらえる研究を行っています。この時期に関する研究では、いまなお、双方のナショナリズムに規定された歴史的評価が数多くなされていますが、実際に支配された民衆の立場に関心をもちながら、支配の実態を一つひとつ解明していくことが大切です。そのために、日本史の分析枠組みはもちろん、在地社会を構造的に把握するために朝鮮史研究、特に民衆運動史の成果を取り入れ、各地域の民衆の動向が国際関係をどのように規定するのかを明らかにしてきました。こうした視座により、一国史的枠組みを折衷的に採用したにすぎない従来の二国間関係史的な歴史像ではなく、世界史的な射程をもった日朝関係の歴史像を新たに構築、提示しています。私の関心は、人類史において植民地支配という経験がどのようなものであり、どのような意味をもつのかという点に究極的にはあります。朝鮮というフィールドからこの問題を追究してみたいと考えています。

主要業績
  • 『伊藤博文の韓国併合構想と朝鮮社会』岩波書店、2010

共著:
  • 『「韓国併合」100年と日本の歴史学』青木書店、2011
  • 『近代日本のなかの「韓国併合」』東京堂出版、2010