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ヨーロッパコース 教員

穐山 洋子(アキヤマ ヨウコ)

穐山 洋子
英語表記 Yoko AKIYAMA
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 通信網やインターネットが発達した現代では、瞬時に世界中からニュース、情報、映像を手に入れることができます。その情報は本当に正しいのでしょうか?メディアを通じて見たり、聞いたりして得た情報は、多くの場合、情報発信者の視点が含まれています。つまり、情報の取捨選択が行われ、発信者の解釈を伴っています。大学では、これらの情報が本当に正しいのか、という判断を下せるような知識を身につけていただきたいと思っています。そしてそのうえで自分自身の考えをもっていただきたいと思います。
手軽に手に入る外国の情報から、なんとなくその国に行った気分になっていませんか?私は、短期間でも良いので実際に外国の国々を訪れることをお勧めします。私は家族の仕事の都合でスイスのチューリヒに5年間住んでいました。日本で集めた情報から浮かび上がるスイス像とは全く違うスイスが私を迎えてくれ、軽いカルチャーショックを受けました。人それぞれ感性や興味が違うので感じるところが違うのだと思います。
 私が外国行きを勧めるもう一つの理由は、外国にいると否応なしに自分が日本人であることを認識させられるからです。そして、日本を外から客観的に見ることができるからです。当地の大学や語学学校のクラスで日本人が自分一人であれば、日本人を代表して意見を求められます。日本にいれば日本が中心ですが、外国では極東の国でしかありません。そういう立場から日本と日本人について考えていただきたいと思います。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 都市銀行、シンクタンクに勤務したのち、家族の転勤でスイス・チューリヒ市(ドイツ語圏)に5年間滞在し、その間ドイツ語を習得しました。帰国後、東京外国語大学(ドイツ科)に3年次編入し、地域研究や歴史学の面白さを知り、研究者を目指しました。大学院は、東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻に進み、修士課程と博士課程を修了しました。博士課程在学中に、マルティン・ルター・ハレ・ヴッテンベルク大学(ドイツ)に一年間留学しました(日独共同大学院プログラム)。2010年7月から、東京大学ドイツ・ヨーロッパ研究センターで助教として約5年間勤め、2015年4月より本学で教育、研究に従事しています。
趣味は水泳で、目標は週3回泳ぐことですが、なかなか実現できません。マスターズ大会にも都合がつけば出場しています。京都でもしっかり泳ぐことを目標にしています。また。スイスとドイツでの生活の影響で、自然の中(特に山)で過ごす時間を大切にしています。

研究内容

 スイス近現代史を専門としていますが、ドイツ・ヨーロッパも視野に入れて研究をしています。主な研究関心は、社会の中で排除と包摂がどのように起こるのか、歴史学的に検証することです。具体的には、ユダヤ人やシンティ・ロマのようなマイノリティの排除と包摂の歴史です。特に国民国家形成期(19世紀)以降に関心があり、どのような論理や思想(反ユダヤ主義、ナショナリズム、優生学、人種論)が影響しているのかを研究しています。また、包摂に関しては、ネーション形成(国民形成)に関心があります。19世紀は近代的国家が形成された時期です。政治的制度としての国家が樹立されても、その地域に住む人々がその国家にすぐに帰属意識を持ったわけではあそりません。どのようなプロセスでネーションあるいは国民が形成されたのかを研究しています。

主要業績

  • 単著:Das Schächtverbot von 1893 und die Tierschutzvereine: Kulturelle Nationsbildung der Schweiz in der zweiten Hälfte des 19. Jahrhunderts, Berlin 2019.
  • 単著:「1893年のシェヒター禁止と19世紀後半スイスの文化的ネーション形成」、『現代史研究』第60号(2014年)、21-39頁。
  • 単著:「19世紀スイスのユダヤ人:包摂と排除のはざまで」、『ユダヤ・イスラエル研究』第28号(2014年12月)1-11頁。
  • 共著:黒澤隆文編『中立国スイスとナチズム 第二次大戦と歴史認識』(京都大学学術出版会、2010年)
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