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ヨーロッパ地域 教員一覧

尹 慧瑛(ユン ヘヨン)

英語表記Hae-young YOON
職名准教授
主な担当科目グローバル地域文化入門、
グローバル地域文化入門セミナー、
グローバル地域文化発展セミナーⅠ、Ⅱ、
グローバル地域文化専門セミナーⅠ、Ⅱ、卒業論文、
ヨーロッパの課題1(植民地主義の現在)、
ヨーロッパの課題4(移民と文化政策)、英語関連科目
所属コース名ヨーロッパコース
研究者情報研究者データベース「研究者情報」(オリジナルサイト)
尹 慧瑛

学生へのメッセージ

 「グローバル」と「地域」の関係は、単に相互が関連しあい、影響を及ぼしあっているという以上に、より複雑で重層的なものとなっています。それは、差異があらゆる境界を超えてごく身近なところに存在し、そのことが地域をいっそう豊かな多様性へ導くと同時に、既存の枠組みや概念にたえず変容を迫っているような状況であると言えます。そのような差異と共生のダイナミズムに積極的に関わろうとするなら、自らの視点や方法をたえず更新し、研ぎ澄ませていなくてはなりません。例えば、「自明性を問う」ということ。今まで当たり前だと思っていたことが、実は国家や制度やさまざまな権力関係によって保証されたものであること、言い換えれば、その「自明さ」が、別の異なる立場に置かれた人びとに対する暴力として作用しうると自覚することです。あるいは、想像力を養い、鍛えること。そのようにして人は初めて、自分と自分を取り巻く社会との関係を再考してみることが可能になります。
 現代世界におけるさまざまな事象をどのように読み解き、自分なりの視角を提示し、場合によっては何らかの実践的な解決策を見出すのか。既存のディシプリンにおける研究方法の積み重ねを基礎としながらも、柔軟かつ創造性に富んだ発想やセンスを養い、それらを自分の言葉で語ることのできる訓練が求められます。何より学生の皆さんに伝えたいのは、遠く離れた地域やそこに暮らす人びとをめぐる問題が、決して無関係の他人事ではなく、自らの問題に分け入っていくための方法を授けてくれるものであるということです。地域を知る醍醐味のひとつは、まさにその点にあると言えるのではないでしょうか。
 複数の問いや関心が、何かをきっかけに互いにつながり、やがては独自の自己表現や社会を動かす力になっていくことがあります。そのための具体的な手がかりを皆さんとともに学び、実践していきたいと思っています。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 東京で生まれ育った在日コリアン3世です。1988~1989年に英国サリー州に在住中、ヨーロッパのさまざまな国を旅行しました。紛争の最中にあった北アイルランドを初めて訪れたのもこの時です。大学では「母国語」である朝鮮語を外国語のように学んだり、ソウルに短期語学留学したりと、自身のアイデンティティにとって貴重な経験をしました。卒業論文で北アイルランド紛争をとりあげ、大学院に進学してからは、資料収集やフィールドワークのため、ベルファスト、ダブリン、ロンドンをたびたび訪れました。特に、ベルファストでは、紛争の傷跡をあちこちに残しながらも街全体が新しい関係性を創り出そうとしている様子を間近に見ることができ、暴力や和解について考えるさまざまな視点を与えられたと思っています。街と言えば、大学のキャンパスが位置する京都市も、とても興味深いところだと感じています。住み慣れた東京を離れて、日本国内では初めての「移住」になりますが、この場所から日本と世界の諸地域について考えていければと思っています。

研究内容

 これまでは主として、北アイルランドという地域を研究対象としてきました。北アイルランドは、植民地支配の歴史とその矛盾が凝縮された<場>、さらには紛争によって社会が著しく分断された<場>としてとらえることができますが、それ故に、暴力と分断の克服、歴史認識、和解を考える<場>でもあります。博士論文では、アイルランド統一を目指す「ナショナリスト」に対して英国との連合維持を主張する「ユニオニスト」に焦点をあてました。ここから「ブリティッシュネス」とは何かという問いのみならず、移民をめぐるさまざまな問題、多文化主義など、英国本土、ひいてはヨーロッパ全体が直面している課題についても強い関心を持っています。これらはつまるところ、「社会の共有」の可能性というグローバルな課題へとつながりますが、日本の現状にどう関わっていくのかも常に立ち返るべき課題であると考えています。

主要業績
  • 『暴力と和解のあいだ ―北アイルランド紛争を生きる人びと』法政大学出版局、2007年。
  • 「いくつもの〈分断〉を超えて-北アイルランドのエスニック・マイノリティと〈社会の共有〉」御輿哲也編『〈移動〉の風景 ―英米文学・文化のエスキス』世界思想社、2007年、197-217頁。
  • 「排除と包摂のはざまで―北アイルランドという地政学的空間」後藤浩子編『アイルランドの経験―植民・ナショナリズム・国際統合』法政大学出版局、2009年 197-217頁。