コース紹介

アジア・太平洋コース

アジア・太平洋コース 阿部 範之 准教授

躍動するアジア・オセアニアから世界の今、
歴史、未来について考えよう。

 みなさんは「アジア」と聞いてどんなことを思い浮かべるでしょうか。グローバリゼーションが進展する今日、アジア・オセアニア地域は、かつてのイメージとは異なり、世界経済の一大センターの地位にあると言っても過言ではありません。しかし経済発展や近代化に伴い、ローカルな社会や文化は、急激な変化にさらされてきました。その一方、隣接する地域間で抱える葛藤は今も残り、時にそれは政治的対立、さらには紛争といった形で顕在化しています。
 こうした課題に、私たちはどう関わっていくべきでしょうか。本コースでは、アジア・オセアニア地域の各国の情勢だけでなく、文化衝突、歴史認識、民族移動、国際関係論などについて最新の知見を取りいれ、多角的に考察を行いながら、解決の方法を探っていきます。こうした学びは、私たちのあるべき未来を構築することへとつながるはずです。
アジア・太平洋コース写真(中国)
アジア・太平洋コース写真(韓国)

Student’s voice

アジア・太平洋コース 2017年度生 中島 咲寧さん

田中万里奈さん

主体的に学び、行動した5年間

 日本と密接な関係にありながら、それまで主に政治・経済の面での関わりの中でしか知る機会の少なかったアジア地域について、現地の文化や人々の生活を学んでみたいと思い本学部に進学しました。
 1年次にベトナムでの短期研修に参加し、東南アジア地域が持つ宗教や民族、文化の多様性、成長著しい国家経済を動かす人々の活気に魅了され、当地域に強い関心を抱くようになりました。その後は知的好奇心の赴くままに学部内外の講義を積極的に受講し、2年次にはフィリピンへの派遣留学や現地インターン、4年次には休学してマレーシアにて卒業研究の現地調査を目的とした留学を経験しました。行動的に過ごした大学生活の中で、一歩踏みだす勇気が必要な場面も多々ありましたが、向上心の高い同期や先輩方、相談に乗ってくださる先生方に支えられ、主体性を持って次なる進路を切り拓いていくことが出来ました。
 卒業後は大学院に進学し、マレーシアでの調査を元に書き上げた卒業論文のテーマに関する研究を続けます。東南アジア地域の多民族社会における国家と民族の関係について、自らの問いをより専門的に探究していきたいと考えています。

アジア・太平洋コース 2018年度生 梁川 鈴佳さん

アジア・太平洋コース_梁川鈴佳さん

マオリ文化と熊本県水俣での表現者との出会い、そして表現者としての私

 16歳のときニュージーランドに留学し、マオリの方々と友好的な交流をしたこと、そしてホストファザーがマオリの精神を敬愛する彫刻家であったことから、マオリ文化に関心を抱くとともにマオリ文化を研究したいと熱望し、オセアニア文化の講義が開講される本学部に進学しました。
 1年次生で再びニュージーランドに留学しました。芸術が個人と国民のアイデンティティとして確立されるニュージーランド。芸術を通して認識されるマオリ文化の独自性や精神性に魅了され、マオリ芸術特有のモチーフやポウナム(グリーンストーン)から放たれる輝きに生命力や心の安寧、パワーを感じました。また2年次生で受講した熊本県水俣市でフィールドワークを行う「グローバル地域文化教養セミナー13」で、多くの表現者と出会いました。彼ら彼女らの多様な表現は、水俣病と水俣の地に長年向き合い、自己を問うことで深みを増すのだと実感しました。
 私自身10歳から書道を続けており、一人の表現者として自己対話し、私の伝えたい思いを手へ筆へ紙へと投影します。マオリ文化との出会い、水俣での表現者との出会いを糧に、私は現在もこれからも、マオリ文化の表現者を研究テーマに、表現者とは何か、書道を通じて、そして本学部の学びのなかで追求します。

卒業生の声

アジア・太平洋コース 2020年卒業 河﨑 涼太さん

河﨑涼太さん

他者への感応力という、人生の指針

 卒業後は大学院で文化人類学を学び、来年度からはテレビ局で、ドキュメンタリーを中心とした番組制作に携わります。在学時、「先住民を知り、多様性を考えたい」という思いで私はニュージーランドに交換留学し、マオリの村でのフィールドワークを経験しました。しかし現地で、共生や多様性という言葉が、生半可ではないものだと身をもって痛感したとき、それでも人々に寄り添い、感応するという本学部の指針が、フィールドのみならず、私の人生の羅針盤となっています。

アジア・太平洋コース 2021年卒業 河﨑 星音さん

アジア・太平洋コース_河﨑星音さん

刺激的なGR学部

 卒業後は外航海運事業を営む会社に就職予定です。在学中に海外経験が求められることがグローバル地域文化学部の大きな特徴であり、好奇心旺盛な学生が集う刺激的な環境でした。私も仲間に負けじと、内閣府主催の世界青年の船事業への参加や、スペインで800㎞の徒歩の巡礼の旅を行うなど様々な体験を通して、「国を越えて人と関わる事」に関心を持ち、世界を股にかける仕事である海運の業界を選びました。
グローバル地域文化学部で培った「他者に寄り添う想像力」を持ち続け、世界をフィールドに活躍していきたいです。

卒業論文テーマ