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アメリカコース 教員

神崎 舞(カンザキ マイ)

英語表記 Mai KANZAKI
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 グローバル社会といわれて久しい昨今ですが、そのような社会で活躍するためには、どのようなスキルが必要とされるのでしょうか。外国語さえ習得すれば良いと考える人が多いかも知れませんが、真に国際社会で活躍するためには、外国語だけでは十分とは言えません。その地域の文化を学ぶことも不可欠ですし、さらには自分が生まれ育った地域を知ることも重要です。その際に、舞台芸術は有効な手段の一つとなり得るでしょう。
 舞台芸術とは、様々なパフォーミング・アーツ(performing arts)、つまり、演劇はもちろんのこと、オペラやミュージカル、そしてバレエやダンス、さらにサーカスなども含みます。舞台芸術は、映画やテレビに比べると、少し敷居が高いと感じるかも知れません。そのため、実際に生の舞台を観たことがない人も多いと思います。また舞台芸術は、一見日常社会とかけ離れた単なる娯楽と思われがちです。しかしながら、その作品が生まれた国の社会や文化が少なからず反映されています。私が研究対象としているカナダの舞台芸術も例外ではありません。その時代や社会を表象する舞台芸術を学ぶことは、その国に対する理解を深めるだけでなく、自国の文化の理解にも役立ち、自らの視野を広げることに繋がります。それは舞台芸術に限らず、他の文化的事象に関しても当てはまります。さまざまな文化に触れ、それらに関して学ぶことで、グローバルかつローカルな視点で物事を考える力を養って下さい。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 大学で受講した授業やさまざまな作品の観劇体験などを通して、次第に演劇を研究したいと思うようになりました。その中で、カナダのケベック州出身の演出家であり、劇作家、そして俳優でもあるロベール・ルパージュ(Robert Lepage)の作品に出会いました。それまでは、特定の俳優や、よく知られている戯曲に基づいた作品を観るために劇場に足を運んでいましたが、ルパージュの作品を観て、彼の「見せる演劇」に大きな衝撃を受けました。このような演出家が生まれ育ったカナダとはどのような国なのだろうかと、カナダに対する興味を強く持つきっかけにもなりました。

研究内容

 カナダの舞台芸術を研究しています。中でも、ロベール・ルパージュの作品の上演分析を行ってきました。ルパージュは、日本でもよく知られているサーカス・カンパニーであるシルク・ドゥ・ソレイユや、メトロポリタンオペラの演出を手掛け、海外の演劇フェスティヴァルなどカナダ国外での上演歴も多いことから、国際的に認知されている演出家です。特に、カナダの中でも特異な位置づけにあるケベック人としてのアイデンティティを、ルパージュが作品を通してどのように表象してきたのかについて分析してきました。現在は、ルパージュ以外の作品や、カナダの各地域で開催されている演劇フェスティヴァルに関する研究も行っています。

主要業績

〔単著〕
  • 『ロベール・ルパージュとケベック―舞台表象に見る国際性と地域性』彩流社、2023年.
〔共著〕
  • 『現代カナダを知るための60章【第2版】』日本カナダ学会編、明石書店、2021年.
  • 『ケベックを知るための56章【第2版】』日本ケベック学会編、明石書店、2023年.
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