アメリカコース 教員
倉科 一希(クラシナ イツキ)
英語表記 | Itsuki KURASHINA |
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職名 | 教授 |
研究者情報 | 研究者データベース |
学生へのメッセージ
皆さんはアメリカ合衆国にどんなイメージを持っているでしょうか。ここ数年、アメリカ合衆国がニュースに上ることが多くなりました。たとえばトランプ前大統領支持者による連邦議会襲撃や、人種・移民などをめぐる衝突など、非常に暴力的なイメージもあります。その一方で、ニューヨークや西海岸に代表される繁栄する大都市や、IT産業が活発な先進的な国家というイメージも強いかと思います。また、昨今のウクライナ危機によって、外交や安全保障の分野では、アメリカ合衆国が依然として大きな役割を果たしていることが明らかになりました。
歴史的に、日本はアメリカ合衆国から大きな影響を得ており、アメリカ合衆国に関するさまざまなイメージを受容してきました。その結果、日本にはアメリカ合衆国に対するいろいろな感情が併存しています。
アメリカ合衆国から大きな影響を受け、さまざまなイメージを抱き、いろいろな感情を抱えたのは、日本だけではありません。20世紀が「アメリカの世紀」と呼ばれることもありますが、世界各地にアメリカ合衆国が与えてきた影響を示す、表われの一つといえるでしょう。その結果、アメリカ合衆国には憧れや嫌悪、憎悪や愛着の情が向けられることになります。
グローバル地域文化学部では、さまざまな地域を学ぶことができます。アメリカ合衆国との関係という視点は、それぞれの地域の現代史を理解するうえで、一つの指標になるかもしれません。アメリカ合衆国そのものを研究しようとする方はもちろんですが、他の地域に関心がある方々にも、アメリカ合衆国の歴史が役に立つかもしれません。
プロフィール(経歴、趣味、等)
長野県で育ち、大学入学を機に上京しました。その後、大学院の博士課程でアメリカ合衆国の東海岸で過ごし、就職は秋田・広島を経て京都にまいりました。こうして文字にしてみると、あちこち移動してきたことを改めて実感します。
変動するヨーロッパ国際関係に魅かれて研究者を目指しましたが、かなり早い段階でアメリカ合衆国を中心に据えたアプローチをとるようになりました。とはいえ、アメリカ合衆国だけに視点を当ててきたわけではなく、広い文脈の中で考えようとしています。現在では、2016年の衝撃をどう研究者として消化していくかが、課題になっています。
いろいろなことに興味がわいて、なかなか趣味の域には達しておりません。きっかけをくれる人とのつながりが広いのだと、正当化するようにしています。
研究内容
アメリカ合衆国の外交、とくに第二次世界大戦後の西ドイツとの関係に焦点を当てた研究を進めてきました。東西冷戦における主要な同盟国であった西ドイツは、同時に二つの世界大戦の原因とみなされたドイツの片割れであり、その動向には西側同盟国からも警戒されていました。周辺同盟国の西ドイツに対する不安は、米・西独関係にも大きな影響を与えます。アメリカ合衆国の対西ドイツ政策を中心に据えて、米欧関係の歴史的解明を行うことが、大きな研究テーマになっています。
主要業績
『アイゼンハワー政権と西ドイツ―同盟政策としての軍備管理交渉』
『現代アメリカ政治外交史―「アメリカの世紀」から「アメリカ第一主義」まで』、青野利彦・宮田伊知郎との共編著
「米国の同盟政策における核兵器の位置づけの変容」『国際政治』204号
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