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アメリカコース 教員

坂本 南美(サカモト ナミ)

坂本 南美
英語表記 Nami SAKAMOTO
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 ようこそ、グローバル地域文化学部へ。大学での4年間は、皆さんの可能性を引き出すたくさんのチャンスに満ちています。このグローバル地域文化学部で、多様な価値や問いに向き合いながら、「物事の本質を捉える視点」「他者との関わりへの意識」「一歩踏み出す勇気」を育てていく時間を過ごしてほしいと思います。
 これら三つを育む過程は、友情を築き深めるプロセスに例えることもできます。ごくふつうの友人だったのが、そのよさに気づき、理解し、だんだんと互いに認め合う真の友人になっていく。相手に関心(=他者との関りへの意識)を持つことで、友人のよさへの気づきが生まれます。相手をより深く理解する(=本質を捉える)には「彼/彼女は今、何を感じているのだろう」と相手の内面を想像する(=一歩踏み込む・問いをもつ)ことも必要です。自分とは異なる他者と認め合えたとき、自分自身が見えてくる。それが多様性の尊重につながるのではないでしょうか。
 問題集を解く、あらかじめ用意された答えにたどりつくこれまでの勉強と大学での学びは異なります。大学や一般社会には正解のない問いが満ちあふれています。関心をもつこと、本質に迫るために自ら問いを発すること、それができると大学生活はさらに楽しくなっていきます。人生・社会生活は厄介なもので、一見すると答えがない問いを前にして迷うことも多いものです。けれど、一生かけて追究してもよい問いに出会うのもこの大学生活の醍醐味です。
 私たち教員は、皆さんが学問を深め、豊かな学生生活を送っていけるようにサポートしていきます。このグローバル地域文化学部で、これからの「自分自身」を生き抜く土台をぜひ築いてほしいと思います。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 中学校の教員をしていた頃、2年生の後半では生徒一人ひとりが自ら選んだ相手(海外のミュージシャンや映画俳優、スポーツ選手、大統領など)に英語で手紙を書く授業を取り入れていました。どの国の誰に何を伝えるのか、返事は返ってくるのか、すべてが現実です。私は英語の授業を通して、彼らに世界へつながる入り口に立つ経験をしてほしいと願っていました。
 その後、言語教師が教師として成長するプロセスや英語の様々な授業法を研究するために、修士号を取得し、博士課程へ進みました。大学で教えるようになった後も、英語教師を目指す学生の養成や英語科の教員研修を通して、「人」の成長に寄り添う営みを大切にしてきました。
 趣味は音楽鑑賞です。中学・高校では吹奏楽部に、大学ではオーケストラに所属していました。日本のポップ音楽や海外のアーティストの楽曲もよく聞きます。生徒たちと訪れたオーストラリアで体験したディジュリドゥやモンゴルの大学生が教えてくれた馬頭琴、カナダのバンドで体験させてもらったアルトサックス。どの街を訪れても、音楽はまるで共通した言語のように人と人をつなげてくれるような気がします。

研究内容

 私の研究分野は2つあります。1つは「教師のナラティブ研究」、もう1つは「外国語授業研究」です。
 「教師のナラティブ研究」は、インタビューを通して先生方の語りを読み解く(分析する)アプローチです。私の研究では、外国語の先生方やAssistant Language Teacher(ALT)へのインタビューを行ってそのことばを読み解いていきます。授業で大切にしていること、教師として成長する様子、アイデンティティが作られていく過程など、鍵となる概念を抽出し、分析していきます。
 「外国語授業研究」は日本の英語教育と海外での外国語教育を対象にしています。外国語授業改善の実践例を研究し、研究の成果を実際の授業に還元して検証します。教材の開発では、他教科とも連携し、海外の小・中・高等学校、大学での日本語や英語によるCLIL授業実践を通して、その効果や改善の方法を検証しています。CLILとは、外国語で教科の内容を学ぶ授業法です。国や地域文化に合わせた授業を創っていくことは学び手の可能性を広げるきっかけにもつながります。

主要業績

1. 坂本南美 (2022). 「教師のナラティブを読み解くことの意味―ALTの成長を辿って―」 那須雅子・坂本南美・寺西雅之 編著 『ナラティブ研究の実践と応用―現代社会への理解と貢献に向けて―』(pp.11-30). 学術研究出版.
2. Sakamoto, N. (2022). Teacher awareness as professional development: Assistant Language Teachers in a cross-cultural context. Palgrave Macmillan.
3.  坂本南美・吉田安曇 (2021). 小学校教員を目指す学生の気づきに関する研究:日英文比較教材の実践を通して. 日本国際教養学会. JAILA Journal Vol.7. 14-25.
4.  坂本南美・前田幸也・岩本華苗・今井裕之 (2020). 参加者たちのナラティブから探る英語教育の教えと学び. 日本国際教養学会. JAILA Journal Vol.6. 110-121.(特別寄稿論文)
5.  坂本南美 (2018).「中学校の指導と評価」 酒井英樹・廣森友人・吉田達弘 編著 『「学ぶ・教える・考える」ための実践的英語科教育法』(pp.224-251). 大修館書店.

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