アメリカコース 教員
清水 達也(シミズ タツヤ)
英語表記 | Tatsuya SHIMIZU |
---|---|
職名 | 教授 |
研究者情報 | 研究者データベース |
学生へのメッセージ
旅行が好きですか?知らない場所へ行くのは不安ですが楽しみも多いです。美しい景色、おいしい食べ物、地元の人々との交流など、新しい経験は不安を上回る喜びを私達に与えてくれます。目的地が外国であれば不安がふくらみますが、楽しみもそれ以上に増えます。未知の世界での新しい経験は、私達の好奇心を満たし、視野を広げ、選択肢を増やしてくれます。その際、現地の人々と深い意思疎通ができれば、新しい経験の量と質が格段に増えます。
そのためには何が必要でしょうか。グローバル地域文化学部(GR学部)のカリキュラムの中心になっている言語、地域、イシュー、ディシプリンは、未知の世界を知るための強力な手段となります。1つめは言語です。英語はもちろんのこと、それ以外にもう1つ言語を習得すると世界が大きく広がります。2つめはその地域の基礎知識や現在の課題(イシュー)です。自分が住む地域と比較することで、その地域の特徴や課題が明らかになります。3つめは地域やイシューを理解し、考え、人に伝えるスキルです。これはディシプリン(分析して考えをまとめるための方法)とも呼びます。これが身につけば、未知の世界での新しい経験が知的好奇心を満たし、大きな喜びへとつながります。
私の研究対象はラテンアメリカです。発展途上国と呼ばれるこの地域の人々がどのように生活をしているか、特に農業をはじめとする経済活動に関心を持っています。毎年のようにラテンアメリカを訪れ、アスパラガス、ブドウ、アボカド、マンゴ、ブルーベリー、カカオ、大豆、トウモロコシ等の農産物の産地を訪れ、生産者、企業、団体、政府機関、研究機関などを訪れて、最近の変化についてインタビュー調査を続けています。調査のたびに新しい発見があり、ワクワクしながら研究をしています。 好奇心にあふれる人、未知の世界で新しい経験をしたい人、より広い世界をみたい人、GR学部で世界について学んでみませんか。
プロフィール(経歴、趣味、等)
岐阜県の濃尾平野にある小さな田舎町で育ったためか、子どもの頃から外国に対する好奇心が強く、ジャーナリストになって世界をみてまわるのが夢でした。高校卒業後に渡米して、カンザス大学ジャーナリズム学部で学びました。大学で履修したスペイン語を試してみようと、旅行やホームステイでメキシコを訪れたのが、ラテンアメリカに興味を持ったきっかけです。卒業後に帰国して雑誌記者として3年間働きましたが、ラテンアメリカをはじめとする途上国のことがもっと知りたくなり、大学院へ進みました。英国のサセックス大学で開発経済学の修士課程を終えた後、途上国の政治・経済・社会の開発を研究するジェトロ・アジア経済研究所に入所しました。ペルーを中心とするラテンアメリカ担当となり、在籍した27年間のうち5年間はペルーの首都リマ市で在外研究を行いました。2024年の4月から同志社大学グローバル地域文化学部で教えはじめたばかりです。
運動神経はよくありませんが、身体を動かすのは好きです。高校時代から水泳を続けていて、40代前半にリマでランニングを、40代後半に千葉でトライアスロン(51.5km)を始めました。年に数回、大会に参加しています。このほかにヨットに乗るのが好きで、英国のブライトン、ペルーのリマ、千葉の浦安で、30フィート前後の船にクルーとして乗り、レースに参加してきました。
研究内容
これまでペルーの政治経済情勢とラテンアメリカの農業開発について研究してきました。アルベルト・フジモリが大統領として改革を進めた1990年代以降、ペルーの経済はほかのラテンアメリカ諸国と比べると安定しています。一方で政治はとても不安定で、2018年以降の5年間で大統領が5回も代わっています。ラテンアメリカ諸国の政治の安定や経済の成長、そして人々の生活水準の向上や国の発展には何が必要かを考えています。
農業開発については、穀物、食肉、果物、野菜などの生産と輸出について研究しています。世界の農産物貿易に占めるラテンアメリカからの輸出の割合は近年増えており、次世代食料供給の担い手としてますます重要になりつつあります。ペルーの青果物輸出産業の発展のほか、ブラジルやアルゼンチンの穀物生産の拡大を事例としてとりあげ、農業が産業として成長する要因について研究しています。そこからわかったのは、できるものを売るのではなく、売れるものを作ること、そのために需要に合わせた供給体制(バリューチェーン)を作ることが重要なことです。加えて、経営組織や経営管理手法を環境にあわせて変えていくことが産業の成長につながっています。
主要業績
- 編著『ラテンアメリカ経済入門』(アジア経済研究所 2024年)
- 単著 The Growth of the Fruit and Vegetable Export Industry in Peru (Springer 2022)
- 編著『次世代食料供給の担い手ーラテンアメリカの農業経営体』(アジア経済研究所 2021年)
ヨーロッパコース 教員一覧 アジア・太平洋コース 教員一覧 アメリカコース 教員一覧 |