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渡辺 文(ワタナベ フミ)

渡辺先生    (89162)
英語表記 Fumi WATANABE
職名 助教
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 学生時代に真剣に考えてみてほしいことが二つあります。
 一つは「自分が何を好きなのか」。すでに好きなことが分かっている人も、まだ把握できていない人も、一度立ち止まってみてください。自分がそれを好きになった経緯や、それを可能にしてくれた環境について整理してみるのもよいでしょう。まったく新しいことにチャレンジして、自分の幅を広げてみるのもよいかもしれません。好きなことをのびのびと楽しみ、慈しみ、発展させる知恵や技を育ててみてください。これはきっと、あなたを長いこと助けてくれるでしょう。
 もう一つは「自分が最も深刻だと考える社会の問題は何なのか」。まず自分で動き、直接経験を頼りにしてください。そこで感じるのは自分自身の痛みかもしれないし、となりに立つ他者の苦しみかもしれません。つぎに、感じとった問題群の現状を、真剣に調べて分析してみてください。なぜそのような問題が生じているのか、それはいつからなのか、誰・何が関与しているのか、それを問題だと思わない人たちはどのような理由を挙げているのか、解決策はなにか…等々。問題も答えもどんどん変容するでしょう。自分自身も、どんどん変わっていくでしょう。変化をおそれず、諦めず、なんとか向きあいつづけてみてください。これはもしかすると、あなたの大切な人たちや、まだ見ぬ誰かも、少しだけ笑顔にできるかもしれません。
 これらの作業をひとりでする必要はありません。せっかく大学にいるのだから、周りの教員や、学友や、あるいは図書館でひっそりと息をしている膨大な書物たちともたくさん話してみてください。きっとかけがえのない仲間と出会うことでしょう。みなさんの学生生活が思いもよらぬ経験となることを願っています。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 大分市生まれ。学部は早稲田大学政治経済学部政治学科にて、大学院は京都大学大学院人間・環境学研究科文化人類学分野にて学びました。博士(人間・環境学)。ハワイ大学人類学部客員研究員や立命館大学政策科学部助教などを経て、2016年より現職。海が好きです。

研究内容

 私は人類学の立場から、オセアニアにおける芸術や文化を研究しています。とりわけフィジーでは、グローバルな現象としての「芸術」が地域社会にどのようにもたらされ、意味づけられ、文脈化され、在来の生活様式や表現に影響を及ぼしていくのかを、フィールドワークを通じて探究してきました。そもそも人類学における芸術は、美術館に展示される絵画や彫刻などにとどまらず、伝統工芸、儀礼財、彫像、仮面、身体装飾、服飾、布、ツーリストアート、楽器、さらには歌や踊りといったパフォーマンスなど、広範な領域を含みます。こうした多様な表現を対象に、芸術実践が自然環境や社会関係、権力構造とどのように交錯しながら価値体系を生みだしているのかを考察することが、私の研究の基盤です。
 さらに近年は、ジェンダーに関する課題にも関心があります。具体的には、ドメスティック・バイオレンスやジェンダー暴力の構造的要因を分析するとともに、女性のエンパワメントに資する工芸製作の実践に着目した研究を進めています。

主要業績

・『オセアニア芸術―レッド・ウェーヴの個と集合』京都大学学術出版会、2014(単著)
・『文化人類学の思考法』世界思想社、2019(共著)
・ An Anthropology of Ba: Place and Performance Co-emerging. Kyoto University Press/ Trans Pacific Press, 2021(共著)
・『芸術をめぐる実践―せめぎあう感性と制度』清水弘文堂書房、2026(共著)

ヨーロッパコース 教員一覧
アジア・太平洋コース 教員一覧
アメリカコース 教員一覧