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ヨーロッパコース 教員

久野 聖子(クノ キヨコ)

久野聖子先生
英語表記 Kiyoko KUNO
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 私は、学部では音楽学を専攻していました。音楽史、美学、民族音楽学などはもちろん、中世ヨーロッパのネウマ譜の譜起こし、ガムラン、京劇など、少しでも気になった科目は履修してみたので、授業をたくさん受けていました。もちろん、途中で挫折した科目もあります(ラテン語)。一人暮らしをしてたため、朝ご飯は気が向けば学食で食べ、昼ご飯は友だちがアルバイト先から持ち帰ったパンを分けてもらって大学で食べ、晩ご飯も学食で食べて帰るような生活で、ずっと大学にいた記憶があります。「学費のもとをとる」という意識はなかったのですが、今から思えば、あらゆる意味でじゅうぶんもとを取っていたと思います。
 先日、大学生協の方とお話をするなかでお聞きしたのですが、今の学生さんは大学での滞在時間が短くなっているそうです。もったいない。もちろん私も、霞を食って生きるような身分ではなく、アルバイトもしていました。家に何日も籠って小説を読みふけったり、長期休暇中は旅に出たり、大学に寄り付かないこともありました。なにも授業を受けるだけでなく、友だちと話をしたり、人の観察をしたり、図書館で過ごしたり、みなさんもっと大学で時間を過ごしてみてください。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 京都に生まれ、京都で育ち、そして大学入学をきっかけに単身東京へ移り住みましたが、20年ほど前にUターンしてきました。 趣味は、ありません。いや、あります。でも、今はとにかく、仕事と家事と育児で時間がありません。これはいいわけなのかもしれませんが、いいわけでもありません。では、ふと時間があるとすれば、何をするか、そして何をしたいか、といえば、小説を読む、ピアノを弾く、散歩をする、そして映画を観たい、芝居を観たい、旅に出たいです。
 私は「乗り鉄」の気があるので、いつかすべてから解放されたら(そんなことがあるのかもわかりませんが)、好きな紙媒体の小説を抱えて、あらゆる鉄道に乗りたいです。私は、飛行機や新幹線などの速い移動手段があまり好きではありません。各駅停車の電車が一番好きです。その理由は、「時間がかかるから」です。電車に乗っているあいだはすべて自分の時間で、その時間を味わえるのですから、時間がかかるほうがいいに決まっています。

研究内容

 幼い頃からクラシックピアノを習っていましたが、学生時代、好きな音楽はブラジルのサンバやラテン音楽など、非クラシックばかりでした。卒業論文では、スペインのある作曲家の音楽を扱いましたが、私がいた音楽の世界では、スペインはどちらかと言えばマイノリティ。しかも、スペインのなかでも私が選んだのは、カタルーニャ地方。スペインのなかの歴史・地域的マイノリティともいわれる場所です。その頃から、どうやらマイノリティには興味があったようです。
 その後、文化人類学や社会学に興味を持ち、他大学の大学院へと進みました。修士課程では、バルセロナで一年間、民俗芸能集団に所属し、そのフィールドワークをもとに修士論文を仕上げ、その後もカタルーニャの研究を進める予定でした。しかし、ある日観た映画がずっと頭から離れず、この映画がきっかけで研究対象が一変。その新しい研究対象とは「ジプシー」です。そして、研究対象を変えてしまったその映画とは、旧ユーゴスラヴィア出身の映画監督エミール・クストリッツァの『アンダーグラウンド』(1995)です。
 それ以来、スペインやカタルーニャをフィールドに、「ジプシー」について研究をしています。「ジプシー」とはいったい何かと思った人は、「ジプシー」が何者なのか、ぜひ自分で調べてみてください。そして、「ジプシー」に興味を持ったら、その周辺をいろいろと物色してみてください。映画を観てみるのも、音楽を聴いてみるのもいいと思います。きっと、自分にとって興味深い何かが見つかるはずです。

主要業績

・「バルセロナ市における移民包摂の動き―「民主的反復」の可能性を秘めた闘い―」『包摂・共生の政治か、排除の政治か—移民・難民と向き合うヨーロッパ』(2019)
・「スペインにおけるヒターノのピープルとしての承認─国家と地域の相克や地域ナショナリズムとの関連から─」『GR―同志社大学グローバル地域文化学会紀要―』(2023)
・「バルセロナという「場所」を読み解く―ルンバという音楽の分析を通して―」『GR―同志社大学グローバル地域文化学会紀要―』(2024)

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