ヨーロッパコース 教員
水谷 智(ミズタニ サトシ)
英語表記 | Satoshi MIZUTANI |
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職名 | 教授 |
研究者情報 | 研究者データベース |
学生へのメッセージ
水谷研究室は、イギリスという国、―さらにはそれが属するヨーロッパという地域―、について、それがかつて植民地主義というかたちで支配した諸地域や人々との関係において学んでいきます。フランスと同じくイギリスが「多文化社会」なのは、それがほんの50年ほど前まで「大英帝国」として海外に多くの植民地を有していたことと深く関係しています。2001年にアメリカで起こった「9.11事件」以降、ヨーロッパでもイスラム教徒の存在が注目されていますが、イギリスの場合は彼らの多くが旧植民地(インド、パキスタン、バングラデシュ、等)から渡ってきた人々とその子孫です。宗教対立や民族差別といった現代ヨーロッパが抱える諸課題について、歴史をさかのぼりながらともに考えていくことに関心のある学生さんを歓迎します。
プロフィール(経歴、趣味、等)
兵庫県出身です。大学3年生の時に派遣留学生として1年間イギリスに留学し、人生が変わりました。大学卒後、すぐにイギリスに戻り、イギリス帝国に関する論文を書いて修士号と博士号を取得しました。20代の約6年半過ごしたイギリスでの経験を、皆さんと共有できることに大きな喜びを感じています。英語の勉強法に思い悩んでいる人、イギリスについて知りたい人、英語圏での留学を考えている人は気軽に相談しに来て下さい。
主催する研究会のホームページ
Center for Transimperial History (CTH)
研究内容
専門は大きくわけてふたつあります。ひとつは「イギリス帝国史」で、主にイギリスによるインドの植民地主義の歴史について研究してきました。これまでに扱ったテーマとしては、いわゆる「混血問題」と植民地教育があります。近年では、インド人による植民地主義への抵抗の歴史についても研究を進めており、特に詩人として有名なラビンドラナート・タゴールの思想にみられる反帝国主義に着目しています。
もうひとつの専門は「植民地研究」で、イギリス帝国に限らず様々な帝国(日本帝国やフランス帝国)における植民地経験(支配する側とされる側のもの双方を含む)を研究対象としています。そのなかで、近年は「間-帝国史」(transimperial history)という新しい分野の開拓に向けて国内外で共同歴史研究を進めています。異なる帝国における植民地経験を単に比較するのではなく、当時の人々が相互をどのように認識し、それが支配と抵抗をめぐる帝国間の対立や植民地間の連帯の歴史とどうかかわったのについて、様々な帝国の専門家と協力しながら研究しています。
主要業績
- 水谷智「海を渡ったインド人青年にとっての植民地主義と抵抗: イギリス・日本への留学経験に見られる希望と葛藤」(小特集 留学と植民地主義), 『歴史学研究』, vol.1018(2022年), pp. 37-50
- Satoshi Mizutani, 'Introduction to 'Beyond Comparison: Japan and Its Colonial Empire in Transimperial Relations', Cross-Currents: East Asian History and Culture Review, vol.32 pp.1- 21 (2019)
- Satoshi Mizutani, The Meaning of White: Race, Class, and the 'Domiciled Community' in British India, 1858-1930 (Oxford: Oxford University Press, 2011)
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