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ヨーロッパコース 教員

亀谷 百合佳(カメヤ ユリカ)

亀谷 百合佳
英語表記 Yurika KAMEYA
職名 助教
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 自分自身の体験から言えば大学の4年間は短いようでもあり、同時に何倍もの密度の高い、重みのある時間でした。この4年の間のさまざまな形の出会い、人間関係だけではもちろんなく、知的好奇心を満たす色々な出会いを大切にしてください。必ずしも明確な目標、人生設計をもっていなくても、こうした出会いを大切にして、消化してゆくことによってそれはすべて、後の皆さんを形成する肥やしとなるはずです。私は学生時代、フランス語を教えたり、通訳のアルバイトをしながら、春休み、夏休みになると東南アジアを旅していました。最初は単にヨーロッパとは違う地域の文化や風景に触れたいという気持ちでしていたバックパックの旅でしたが、そこでの出会いや気づきがやがて自分の研究を方向付けました。ジュネーブの大学院では国際関係を学ぶ傍ら、国際赤十字で難民申請者の尋問立ち合い人のアルバイトをとおして多くを学びました。紛争地域を逃れてきた人達の話を聞いて報告書を書く作業でしたが、大学院で学んでいたことが突然、白黒の2Dからカラーの鮮明な3D画面に変わったような衝撃的な体験でした。皆さんもこの4年間、さまざまな旅をしてください。旅というのは飛行機に乗って、遠くに行くことだけが旅ではないことを忘れずに。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 東京生まれ。幼稚園からパリで生活をして、小学校の5年から6年生の間だけ日本の学校に通いました。フランスで大学入試資格のバカロレアを取った後、日本に戻って大学生活を送り、大学院生時代はスイスのジュネーブで4年間過ごしました。子供の頃の国を転々とする「習性」が染みついて、今でも自分の場所を探している気がしますが、今では京都での生活が人生の半分になろうとしています。
 これといった趣味や特技があるわけではありませんが、好奇心旺盛の食いしん坊です。昔は映画鑑賞、スキューバダイビングをするアジアのスポットを求めて旅をするのが好きでした。今でも知らない場所、国に行くのは大好きですが、ダイビングをする時間はここしばらく取れていません。

研究内容

 大学時代は経済学部だったのですが、休みの間に旅をしたフィリピンでの体験が研究の出発点になっています。当時は電気もない小さな離島の村で太平洋戦争中、家族を日本兵に虐殺された老人に「あなたの国のやったこと・・・」と詰め寄られ、その時から初めて自分のアイデンティティーと日本の「暗い谷間の時代」について考えるようになりました。スイスの大学院では国際関係を専攻し、国際連盟の史料を用いてヴェルサイユ条約によって日本の委任統治領となった南洋諸島について、論文を書き、そこで初めて一次史料に触れてリサーチを行う面白さを知ることができました。その後は第二次大戦中のインドシナを巡る日仏関係を調べ、ここしばらくは現代フランスのアイデンティティーを巡る諸問題や第二次大戦中におけるさまざまな抵抗の形が私の研究テーマです。

主要業績

共著:
  • 「フランス共和制言説の試練 多文化と統合の波の狭間で」、『ナショナルアイデンティティ論の現在—現代世界を読み解くために』、中谷猛、川上勉、高橋秀寿編、晃洋書房、2003年
論文:
  • 「第二次大戦における「抵抗」の呼称をめぐる比較考察-日本とフランスを中心に-」、『立命館言語文化研究』、第10巻5.6合併号、1999年2月
  • "La satire en temps de guerre dans revue "Chikakiyori" : traduction et commentaires." (「近きより」にみる第2次大戦中における風刺—訳および注釈)、 『言語文化』、第3巻・第4号、2001年3月。(仏文)
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