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ヨーロッパコース 教員

PEREZ RIOBO Andres(ペレス リオボ アンドレス)

AndresPerezRiobo
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 私の地元はスペイン北西の中ぐらいの港町で、ポルトガルまで車で30分位かかります。子供の時から家族と一緒によく国境を越えて、ポルトガルに入って、遊んだり買い物したりしていました。とても近いので、それは「外国」、まして「海外」に行く感覚は全くありませんでした。その後、1986年にスペインとポルトガルがEUの加盟国になると、まもなくパスポートさえ要らなくなり、以前より便利で、自由に行き来できるようになりました。日本人にとって「外国」と「海外」はほぼ同じものですが、スペイン人にとって「海外」という概念には西ヨーロッパの諸国が含まれていません。より遠いアジアやアメリカ大陸の諸国などを指している言葉でしょう。
 なぜこの話をするのかというと、これからグローバル地域文化学部で勉強しようとする皆さんは自分と外国との関わりが人生の大事な部分になるに違いないからです。「国境」や「外国」などは歴史的に流動する概念です。昔スペインとポルトガルの国境地帯には防衛の要塞線が建設され、互いに敵国として認識されていましたが、現在は親しい関係を保ち、緊張感がなく、東アジアとは極めて対照的です。グローバリゼーションの潮流のため以前より世界は開放的であり、精神的・経済的・政治的に外国との統合は強くなっています。日本と隣国に住む人々の関係もこれから国境に縛られず変化し続けるでしょう。
 スペイン語はラテン語系の言語の一つで、フランス語・ポルトガル語・イタリア語などとの共通点が多くあるので、もしあなたがヨーロッパの文化に興味があれば、スペイン語の勉強は良い出発点でしょう。スペイン語はさらに20の国以上の公用語で、母語話者の数は約5億人(世界第3位)です。スペインだけではなく、中南米のほとんどの国の公用語でもあり、ますますスペイン語が普及しつつあります。スペイン語の勉強は国際コミュニケーション能力を高めるために必ず役に立ちます。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 スペインのガリシア州生まれ。父が仕事のため世界を回り、帰るたびに色々な国の土産を持ってきたため、子供のごろから自然に外国への関心が生まれた。最初の本格的な海外体験は13歳にアイルランドで一か月の英語留学だった。高校生の時、パリでフランス語も勉強した。スペインから遠い東洋に漠然とした関心を持ち、東洋史を勉強しようと決断したが、自分のサンティアゴ・デ・コンポステラ大学にスペイン史と西洋史の専攻しかなく、しばらく夢を叶えられなかった。大学生の時、ドイツでのボランティア活動や、イギリスでのアルバイトをしながら夏休みを過ごした。また、チェコ共和国のマサリク大学と早稲田大学にそれぞれ一年長期留学をした。卒業後、バルセロナ大学大学院に進み、アジアの諸地域について研究した。その後、再び日本に戻り、立命館大学で博士課程を修了した。振り返ると、海外暮らしの体験は貴重なもので、自分を強くさせた宝物である。それぞれの場所で知り合った人々は自分が前進するための支えになった。皆さんも大学生のうちに海外留学などの経験を味わってもらいたい。

研究内容

 グローバル地域文化学部で勉強しようと思っている皆さんはグローバリゼーションに関心を持つでしょう。この現象を理解するために、過去におけるグローバリゼーションの仕組みも知る必要があるでしょう。私は特に「初期グローバリゼーション」といわれる大航海時代のことを勉強してきました。16世紀のスペインとポルトガルの海外進出で、日本の戦国時代と天下人の時代に相当する時期です。いわゆる「南蛮人」はアメリカ・アフリカ・アジアの諸地域に渡ってついに日本にたどり着きました。その南蛮人と日本人の交流が自分の主な研究内容です。違う風俗習慣・言語・宗教などを持つ相手の認識は今と同様に重要な課題でした。過去のグローバリゼーションを勉強すればするほど、知らない相手の立場への理解が深まると共に、現在の正しい世界認識につながると思います。

主要業績

  • 著書:Japón en su historia. De los primeros pobladores a la era Reiwa, Satori Ediciones, Gijón, 2020 (共著者:Gonzalo San Emeterio Cabañes)
  • 書籍の分担執筆:“Un viaje forzado: la expulsión de 130 lázaros de Japón a Luzón en 1632”, Garcés García P. and Terrón Barbosa L. (ed.), Viajes, itinerarios y contactos Japón-Europa, Peter Lang Publishing, Berna, 2013
  • 論文:「近世非人垣外形成とキリシタンとの関わり」、東アジア思想文化研究会、『東アジアの思想と文化』4号、2012年
  • 論文:「一六三二年におけるヒニンの国外追放について」、立命館史学会、『立命館史学』33号、2012年
  • 論文:“La diplomacia del regalo: misiones españolas a Japón (1592-1623)”, Revista Iberoamericana de Estudios de Asia Oriental, 6号, 2015年
  • 翻訳書:『分かりやすいオリエント史』ビセンテ・リスコ著. Dr. Alveiros, Ourense, 2023(共同翻訳者:千田千代)
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