ヨーロッパ地域 教員一覧

Tobias SCHICKHAUS(トビアス シックハウス)

Robert CROSS
職名助教
主な担当科目グローバル地域文化学部科目
所属コース名ヨーロッパコース
研究者情報研究者データベース

学生へのメッセージ

新聞であれ、アカデミックのペーパーであれ、次のような教説が現在よく読まれます。「多文化間の相互理解なくして相互友好関係をたもつことはできない。」読むそばから頭から消えてしまうほど簡単に聞こえますでしょう。ただし、この説では「友好」という感情は「理解」という思考力に基づいています。この条件から、異文化対話の発達をどのように成功させることができるのでしょうか。
2015年の夏に、北アフリカから何百人もの難民がミュンヘン中央駅にたどり着きました。政治家や難民と直接接する多くの人々は、ドイツ語はもとより、ドイツ文化をどうやって適切に伝えればいいかという課題に悩まされました。グローバル化が発達した現代であるにも関わらず、他者に対する友好的な気配りが、不安に変化することもあり、多くの人々は、異国人である難民との間にカルチャーショックを受けました。つまり、感情が理解を切り離してしまった場合が多かったと言えると思います。
上記の例は、多文化間の相互関係を考える上での一例にしかすぎませんが、この経験から自分自身がいったい何を学んできたかというと、ドイツのバイロイトを皮切りにゲスト講師としてポーランド、チェコ共和国、西アフリカ、コロンビアでいわゆる「ドイツ文化」を教えてきました。「旧宗主国のドイツの歴史は現在も意識されているのか」、「今まで、年間ほぼ150日休んでも、なぜ経済が回ってきたのか」、「ビールを水のように飲んでいるのは本当なのか」等の、様々な視点から見たドイツ文化への疑問に取り組むオープンで柔軟な態度で進んで行くことが人文研究員としては最も重要な態度です。同志社大学生の皆さんに、「友好」と「理解」を切り離すことなく両者を保ちながら、色彩に富むドイツ語を紹介したいと思います。

皆さんとのはじめての出会いを楽しみにしています。

プロフィール(経歴、趣味、等)

高校を卒業したあと、兵役があり一年間病院で働きました。その後、ミュンヘン大学に入学し演劇学を主専攻、日本学とドイツ語教育を勉強しました。2010年にドイツ学術交流会 (DAAD)奨学金の援助を得て、 同志社大学に留学しました。その際教育実習生としてドイツ語を教える機会をいただきました。勉強しては教え、 教えては勉強することを繰り返し、日本の教育文化に初めて出会えたことは、貴重な経験でした。ドイツ語の教師としては、博士課程在籍中に、ミュンヘン外国語大学で授業を受け持ち、そこでドイツ語の文法及び会話を初級から上級まで体系的に教える経験を積みました。2017年に多和田葉子と日独文学翻訳に関する博士論文を提出し、バイロイト大学インタ ーカルチュラル・ジャーマン・スタディース学科に着任し、主にドイツ文学、文学歴史と文化学を教えていました。また、ドイツの大学教授資格の取得に向け、文学の解釈と解説の違いにおける論文作成に勤しんでいます。

研究内容

現在の私の研究課題は、18世紀のドイツの啓蒙時代と20世紀の近現代文学で、文学教育と外国語教育(DaF)における共通点の解明です。この取り組みにおいて、最も関心を抱いているのは、教材としての文学という点です。文学作品は、外国語教育の範囲で、上級レベルのみ使用できるのか,あるいは初級レベルでも,人々の対話の手段となりうるのかは、重要な問題と考えています。

主要業績
(単著)“Polypolare Übersetzungen. Eine historiographische Lokalisierung der Chamisso-Literatur.”, Pluralität als Existenzmuster. Interdisziplinäre Perspektiven auf die deutschsprachige Migrationsliteratur (2017) Bielefeld: transcript, pp. 79-96.

(単著)“Das Wort bildet nicht nur, es bindet auch. Produktive Literaturvermittlung am Beispiel Michael Stavarič.”, Michael Stavarič – Ästhetische Grenzüberschreitungen. Eine literaturwissenschaftliche und literaturdidaktische Erschließung des bisherigen Gesamtwerks von Michael Stavarič (2018) Würzburg: Königshausen u. Neumann, pp. 173-191.

(単著)“Migration als literarisches Experimentierfeld in Esther Kinskys Romanen Am Fluss und Hain: Geländeroman”, Experimentierräume in der deutschen Literatur (2019) Pilsen: Westböhmischen Universität Pilsen (Konferenz des Germanistenverbands der Tschechischen Republik), pp.127-146.

(単著)“Literarische Interkulturalität kommentieren: Die mehrsprachige Lyrikübertragung in Sandscript von José F. A. Oliver und Marc James Mueller” (2020) editio. Internationales Jahrbuch für Editionswissenschaft 34, pp. 207-223.