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ヨーロッパコース 教員

立石 洋子(タテイシ ヨウコ)

立石先生
英語表記 Yoko TATEISHI
職名 准教授
研究者情報 研究者データベース

学生へのメッセージ

 現在ではインターネットで簡単に情報が手に入りますが、日常生活のなかにあふれているさまざまな情報がいつも正しいわけではありません。また、努力して探さなければ見つけることができない情報もあります。もしかしたら大学に入学するまでは、与えられた知識を覚えるという形の勉強に慣れてきたかもしれませんが、大学では情報を自分で探す方法や、問いと答えを自分自身で考えることを学びます。さまざまな情報をそのまま受け入れるのではなく、一度立ち止まって自分の頭で考えてみる、与えられた情報だけで物事を判断するのではなく、自分で情報を探してみるといった能力は、大学在学中だけでなく、卒業後も皆さんの生活を助けてくれるような大切な力になるのではないかと思います。
 大学での生活は長いようであっという間に終わってしまいますので、この貴重な時間を大切に過ごすために、自分が何を勉強したいのかを考える時間をぜひ作ってください。大学ではたくさんの授業のなかから自分が勉強したいテーマを選んで受講することができますが、これまで関心のなかったことを扱っている授業にも出席して視野を広げることで、それまで当たり前だと思い込んでいたことが、実はそうではなかったという新鮮な驚きを体験できるかもしれません。他国の歴史や社会、文化、政治や経済などについて勉強することは、その国について深く知ることだけでなく、私たちが生まれ育った環境を違った角度から見直すことにもつながります。授業や他の学生、教員との出会い、留学など、大学生活を通じて、それまで自分が持っていた偏見や先入観が崩れていくような新たな発見に皆さんが出会えることを願っています。

プロフィール(経歴、趣味、等)

 四国の徳島県で生まれ、香川大学法学部で学びました。大学の授業を通じてロシアやソ連の歴史に関心を持ち、東京大学の大学院法学政治学研究科で勉強を続けることになりました。初めてロシアに行ったのは修士課程在学中のことで、その後は研究に必要な資料があるモスクワに滞在することが多いのですが、旅行や研究会、資料収集などの機会にロシアのさまざまな都市やウクライナ、バルト諸国を訪れ、ロシア・旧ソ連諸国の広さと地域の多様性を実感しました。またモスクワは訪れるたびに変わっているので、その変化の速さと大きさにいつも驚いています。ロシア国内だけでもまだ訪問できていない地域がたくさんありますので、少しでも多くのロシア・旧ソ連諸国の街を訪れることを目標にしています。

研究内容

 ロシア・旧ソ連諸国の歴史、政治や社会について研究しています。主な課題は、ロシアや旧ソ連で自国史像がどのように構築され、議論されてきたのかという問題です。
ロシア・旧ソ連では多数の民族や宗教が共存してきたこと、また20世紀に大きな体制転換を繰り返し、二度の世界大戦を経験したといった要素が歴史認識に大きな影響を与えているように見えます。国家の歴史をめぐる議論には、その国の人々が自分たちの国や社会をどのように理解しているのか、またこれからどのような国を作るべきだと考えているのかといった問題意識が反映されています。そのため、ロシアや旧ソ連諸国だけでなく、日本を含む他国の議論とも比較することで、それぞれの国の特徴や各国が抱える問題を理解することができる大変興味深いテーマです。

主要業績

単著
立石洋子『スターリン時代の記憶:ソ連解体後ロシアの歴史認識論争』慶應義塾大学出版会、2020年。
立石洋子「「雪どけ」とソ連の歴史学――1953-56年の『歴史の諸問題』誌の活動」『成蹊法学』87号、2017年。
立石洋子『国民統合と歴史学:スターリン期ソ連における『国民史』論争』学術出版会、2011年。

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